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NO.005 BREW版「ゼビウス」開発成功の秘訣!?

NO.005 BREW版「ゼビウス」開発成功の秘訣!?

株式会社インタラクティブブレインズ
代表取締役
武田 政樹氏

 今回弊社でBREWでの「ゼビウス」の開発を行わせていただく事になったのは、主に2つの理由からでした。JAVA上で、オリジナルの「ゼビウス」をほぼ完全な形で移植しナムコ様より配信いただいており、そのコードを再利用する事によって短期間で完成度の高い製品開発が可能であろう、という事と、BREW1.0でテスト的に「パックマン」を試作していたため、APIや端末の癖などもある程度承知していたことです。これらの好条件から、初期段階では非常に短いスパンで移植作業は進みました。中澤氏とご一緒に移植作業を始めて2週間後にはかなりのソースがJAVAからC、C++に変換されていました。
この開発の容易さはBREWの今後の大きなポテンシャルを十分に示していると考えています。このままで行けば問題なく開発は終了するのではないかと思える時もあったのです。

 しかし、携帯電話向けコンテンツ開発では油断は禁物です。弊社のJAVA端末向けのコンテンツ開発の経験でも、特に実機の発売と同時に配信する場合、さまざまな問題が発生する場合が多くあります。今回も残念ながら、そういった心配は現実となりました。

 まず、最終的にユーザの皆様に楽しく遊んでいただけるための仕様を入れ込めるかどうか確認が難しい事があります。計算や描画の処理スピードが十分なものになるかは事前検証で目処はあったものの、実際に移植を始めてみると、とても安心とはいえない状態でした。この問題は端末のメーカさんのファームウエア(API)のチューニング結果にかなり依存してしまい、最大で倍以上も最終的に性能が上下する事は珍しくありません。これがどうなるかをあらかじめ予測し、実際の変化に対してもすぐに対応できるようなコードや体制を準備しておく事は非常に重要です。

 またBREWはまだ生まれて間もないため、ゲームを開発するには向いていない部分が残っていました。今回は複数のキーが押されたことをうまく検知できない状態となっており、非常に大きな問題となりました。
 携帯電話では通常複数のキーが同時に使用される事は無く、こういった問題はBREWに限らずJAVA端末でも頻繁に発生してきました。幸い、今回は迅速なご対応を頂き、事なきを得ました。ゲームメーカーの責務として、こういう事項をよりキャリアさんやメーカさんに知っていただく事が今後も必要だと考えています。

 また他にBREWでもJAVAでも関係なく、家庭用ゲーム開発でさえ往々に発生する問題として、容量制限の問題があります。特に携帯端末では小さいメモリしか無い事が多く、必ずといっていいほど問題となります。今回の「ゼビウス」においても、最終的にはファイルサイズもぎりぎり、またヒープ(ワーク)メモリもぎりぎりでの開発となりました。しかしこれはユーザの皆様に十二分に楽しんでもらう事が最大の価値であるゲーム開発においては宿命だと考えています。

 また最後に、必ず存在する問題に端末上での固有の仕様やバグがあります。JAVAにおいてもまた今回のBREWにおいても、本来は端末間での「コンパチビリティ」は確保されており、それが開発効率をあげる大きなメリットであるはずですが、実際には必ずしもその理想は達成できないのです。いやむしろ、最大の問題がこの端末間の互換性の確保にあるといっても良いでしょう。

 今回もBREWでの基本のインプリメントとは言いづらい、端末固有の実装が必要な箇所がいくつも存在しました。この作業は正直本当に苦労し、時間もかかり、神経を削らなくてはならないものでした。しかしこの問題自体は決して悲観することでは有りません。コンパチビリティを実際の端末上で確保し、最終的な良い開発状況を達成するためには絶対に避けては通れないプロセスだからです。今回弊社としてこういった部分でもご協力出来ました事は非常に良かったと考えています。

 今回の「ゼビウス」の開発では、様々な面でやきもきすることもありましたが、最終的に十分な品質が確保できた事は、ナムコ様をはじめKDDI様、東芝様のご協力の賜物であり、改めて感謝いたします。また弊社ではこういった難易度の高いやりがいのある開発に今後とも是非取り組んでいきたいと考えております。