ゼビウスをBREWに最初に持ってきたこと…これは偶然でも営業戦略的な理由からでもなく、BREWの研究段階から存在した技術的な目標から生まれたものでした。 私達がBREWの仕事に関わり始めたのは2001年の春。実は、この段階からすでに「BREWでゼビウス」を視野に入れて研究を開始していました。なぜならBREWではのネイティブのコードが走りますからJAVAアプリに比べてより洗練されたゲームがそこで走ると思われていたからです。 しかし、検証を進めてゆくと思いもよらぬ大きなハードルが待ち構えていました。実は、当時のBREWはゲームを想定したAPIを含んでいなかったのです。 当時、BREWは端末が本来持っているパワーをまだ眠らせている状態にあり、画像を一枚表示するにしても複雑な手順を踏まないといけなかったり、また、ハード的には同時に複数音鳴らせる仕様でありながら、実際には一音しかサポートしていないという状況でした。 結果的に、一番最初に製作したゼビウスのプロトタイプは「弾を発射するとBGMが停止する」というありさま。クオリティは到底満足のゆくものではありませんでした。 そこで私たちはアプリ自体のチューニング方法を探る一方で、BREWの開発元であるQUALCOMM社へAPIの改善を訴えかけることにしました。 「CPUが速ければ、ゲームをさぞかし快適にプレイできるに違いない…」そう思ってらっしゃる方も多いかも知れません。しかし、快適なゲームプレイの環境の実現にはAPIの改善を含む細かな改善こそがむしろ大きな威力を発揮するのです。 このため、QUALCOMM社の技術者と何度も打ち合わせを行い、時には膨大なゲームAPIの提案書を送ったりもしました。 苦労の甲斐あってか、後に提案の一部は将来のバージョン(BREW2.0のIDIBなど)へ反映されることになりました。 しかし、こう苦戦しているうちに「JAVA版の参考にするからBREW版ゼビウスを見せて欲しい…」そんな問い合わせがありました。 BREWで先行していたゼビウスでしたが、JAVA版の配信が先に決定されてしまったのです! これはBREW担当としては口惜しい出来事でしたが、BREWも負けてはいませんでした。BREW2.0になると劇的に改善され、プロトタイプ版のゼビウスはJAVAの2倍近い速度で動作するほどになっていました。 そして、言うまでもなくBREWの実力が認められ、製品化へと進むことになったのです。